この秋楽しみたい!絶景の黒部峡谷トロッコ電車の魅力 この秋楽しみたい!絶景の黒部峡谷トロッコ電車の魅力

2023年9月20日

# 富山 # 秋 # 紅葉 # 観光 # 黒部峡谷

おすすめ紅葉スポット

この秋楽しみたい!絶景の黒部峡谷トロッコ電車の魅力

富山県の紅葉名所はたくさんありますが、トロッコに乗って紅葉狩りを楽しめるのは黒部峡谷だけ。この秋、黒部峡谷で、息を飲むほど美しい紅葉を楽しんでみませんか?トロッコ電車でしかアクセスできない秘境の紅葉スポットをはじめ、周辺のおすすめ観光地もご紹介します。

日本有数の秘境である黒部峡谷とは

▲黒部峡谷 <画像提供:PIXTA>
▲黒部峡谷 <画像提供:PIXTA>

黒部峡谷は富山県北東部、中部山岳国立公園内に位置しています。立山連峰と後立山連峰の間を、北アルプス鷲羽岳から流れる黒部川が深く浸食し、深いV字型の峡谷が形成されました。この峡谷は、日本三大峡谷のひとつであるとともに、日本の秘境100選にも選ばれています。両岸は原生林となっているため、緑が豊か。秋になると美しい紅葉で彩られます。険しい山間を走る黒部川は水量が多く、流れが速いという特徴を持っており、雄大な景観に迫力を添えています。

峡谷周辺は勾配がきついため、トロッコ電車でしかアクセスできません。観光列車として知られるトロッコ電車ですが、そもそも水力発電の電源開発を目的に敷設されました。1923(大正12)年に工事が始まり、1926(大正15)年に宇奈月〜猫又間が運転開始。1930(昭和5)年、1937(昭和12)年と少しずつ距離を伸ばし、現在の路線が完成しました。

資材の運搬と、地元住民の生活の足として利用されていましたが、徐々に観光客が多くなり、1953(昭和28)年に地方鉄道の認可を受け、「黒部鉄道」としての営業を開始しました。

黒部峡谷

  • 住所:富山県黒部市・黒部奥山国有林内
  • アクセス:
    電車)富山地方鉄道「宇奈月温泉駅」から約徒歩5分、黒部峡谷鉄道「宇奈月駅」
    車)北陸自動車道・黒部ICから約20分、黒部峡谷鉄道「宇奈月駅」
  • 公式サイトはこちら

大自然を行く黒部峡谷鉄道(黒部峡谷トロッコ電車)の魅力

▲紅葉の中を行く黒部峡谷鉄道(黒部峡谷トロッコ電車) <画像提供:黒部峡谷鉄道株式会社>
▲紅葉の中を行く黒部峡谷鉄道(黒部峡谷トロッコ電車) <画像提供:黒部峡谷鉄道株式会社>

峡谷のなかを走るのは、小さなトロッコ電車です。大自然のなかをトコトコ進むトロッコ電車から見えるのは、間近に迫る岩肌やエメラルドグリーンの湖、ユニークな橋といった数々の絶景。よそ見をする間がないほど見どころが豊富です。多くの見どころは片側に集まっているため、宇奈月駅発の場合は進行方向右手、欅平駅や鐘釣駅方面発の場合は、進行方向左手の座席がおすすめです。

トロッコ電車の運行期間である4〜11月の間、峡谷は季節ごとに異なる風景を見せてくれます。一般の乗客が乗降できる駅は全部で4駅あり、例年5月のGW明けには終点の欅平駅まで全線開通を迎えます。それぞれの駅近くにも観光スポットが多いので、ぜひ足を運んでみてください。

▲黒部峡谷鉄道(黒部峡谷トロッコ電車) <画像提供:黒部峡谷鉄道株式会社>
▲黒部峡谷鉄道(黒部峡谷トロッコ電車) <画像提供:黒部峡谷鉄道株式会社>

トロッコ電車は、「普通客車」と「リラックス客車」の2タイプです。普通客車は4人掛けのベンチタイプ。窓がないため雨の日は雨具必須ですが、黒部の空気を全身で感じられます。リラックス客車は、真ん中の通路を挟んで1人掛けと2人掛けの席が並んでいます。窓は開閉可能で、車両によってはバリアフリーの客車もあります。

どちらのタイプも定員制のため、必ず座れますが、リラックス客車は運賃のほかにリラックス車両券が必要です。

紅葉時期がベストシーズンの黒部峡谷

▲黒部峡谷の紅葉 <画像提供:PIXTA>
▲黒部峡谷の紅葉 <画像提供:PIXTA>

黒部峡谷では、季節を問わずすばらしい景色を楽しめますが、おすすめはやはり秋。常緑樹と紅葉樹、黄葉樹の美しいコントラストは唯一無二と称されており、富山県内の紅葉名所として、必ず上位に名前が上がります。見ごろは例年10月下旬〜11月中旬ですが、沿線地区によってピークは異なります。

・欅平 10月下旬~11月上旬
・鐘釣 10月下旬~11月上旬
・黒薙 11月上旬~11月中旬
・宇奈月温泉街 11月上旬以降

とりわけ紅葉が美しいと言われる景勝地は、鐘釣駅近くの「鐘釣橋」。1928(昭和3)年、香淳皇后の父、久邇宮様が、「錦繍関(きんしゅうかん)」と名付けた場所です。また、宇奈月温泉街から車で約5分の「うなづき湖」も、黒部を代表する紅葉スポットとして知られています。

黒部峡谷は、夏でも寒さ対策が必要な地域です。10月の平均気温は、宇奈月で約15℃、欅平では約12℃。11月の平均気温は、宇奈月で約13℃、欅平で約10℃となるため、しっかり寒さ対策をしていきましょう。窓のないトロッコ電車は、風を受けてさらに寒さを感じます。

<黒部峡谷の紅葉情報>
紅葉の見頃:例年10月下旬~11月中旬
服装:フリースやウールなど、少し厚手の上着とズボン
   靴は歩きやすいトレッキングシューズまたはスニーカー
持ち物:ウィンドブレーカー・サングラス・手袋・ネックウォーマー・雨具
注意点:気温・天候の変化に対応できるよう、脱ぎ着しやすいものがよい

黒部峡谷鉄道沿線 宇奈月駅周辺のおすすめ観光地

▲黒部峡谷鉄道沿線 湖面橋・うなづき湖 <画像提供:黒部峡谷鉄道株式会社>
▲黒部峡谷鉄道沿線 湖面橋・うなづき湖 <画像提供:黒部峡谷鉄道株式会社>

宇奈月温泉は、黒部峡谷の玄関口。富山県が誇る「美肌の湯」は、2023年に開湯100周年を迎えました。温泉街各所には足湯が点在しており、気軽に「美肌の湯」を楽しめますよ。また観光・絶景スポットが多く、見どころが豊富です。

おすすめは、エメラルドグリーンの湖面が美しい「宇奈月ダム」のあるうなづき湖。2001(平成13)年に完成したダムは、洪水調整・水道用水・発電をまかなう多目的ダムとして造られました。近くにはダム建設時、資材運搬用道路として架けられた長さ約186mの赤い橋「湖面橋」や、猿が対岸に渡れるように設けられた吊り橋があります。またダム管理所の2階には情報資料館「大夢来館」があり、黒部川の自然やダムの仕組みなどを楽しく学べます。

黒部峡谷鉄道宇奈月駅から宇奈月ダムまで、かつてトロッコ電車が走っていた鉄道跡を整備した遊歩道が整備されています。約1kmの道中には、トロッコ電車を間近に見られる人気の撮影スポット「山彦橋」もあります。

黒部峡谷鉄道沿線 鐘釣駅周辺のおすすめ観光地

▲黒部峡谷鉄道沿線 鐘釣駅スイッチバック <画像提供:PIXTA>
▲黒部峡谷鉄道沿線 鐘釣駅スイッチバック <画像提供:PIXTA>

鐘釣駅は、沿線で一番ともいわれる絶景スポット「錦繍関」の最寄り駅です。夏でも雪の塊が残る「黒部万年雪」もすぐ近く。駅から約3分の「黒部万年雪展望台」からは、対岸の雪渓を間近で見ることができます。

また、駅から15分ほどの場所には「鐘釣河原」があります。夏、水遊びでにぎわう河原には温泉が湧き出ている場所があり、露天風呂を楽しむことが可能。入るのはちょっと、という方は足湯だけでも楽しめます。自分で河原を掘って、小さな足湯を造ることもできますよ。
また鐘釣駅は、スイッチバックをおこなう駅として鉄道ファンに知られています。スイッチバックとは、前進・後進を繰り返しジグザグに山を登る、勾配のある狭い駅でおこなわれる列車交換方法です。鐘釣駅では、本線から一度、傾斜の緩やかな引き込み線に入って停車。発車時はポイント切り替え地点までバックして、急傾斜の本線に入ります。スイッチバックをおこなう駅は、全国でもそう多くはありません。鐘釣駅で下車し、ホームから眺めることもできるので、ぜひ楽しんでみてください。

多くの沿線駅には売店がありますが、鐘釣駅の売店は限定商品が豊富です。こちらもチェックしてくださいね。

黒部峡谷鉄道沿線 欅平駅周辺のおすすめ観光地

▲黒部峡谷鉄道沿線 欅平駅 <画像提供:PIXTA>
▲黒部峡谷鉄道沿線 欅平駅 <画像提供:PIXTA>

黒部峡谷鉄道の終点欅平駅は、標高599mに位置しています。ホームに降りると、険しい山はすぐ目の前。到着したらまず、駅の屋上にある展望台に上がってみましょう。春・夏は滴るような緑、秋には赤や黄で彩られる美しい景色を楽しめます。

代表的な観光スポットは、特別名勝と特別天然記念物の両方に認定された「猿飛峡」(遊歩道補修中のため途中の河原園地まで通行可能)と、奥鐘山や名剣山をぐるりと見渡せる「奥鐘橋」、岩をえぐり取ったような「人喰岩」です。駅から徒歩約5分の「奥鐘橋」は、黒部川の本流に架けられている高さ34mの朱塗り橋です。山々が間近に迫る峡谷のはるか下、黒部川が流れる景色は迫力満点。黒部峡谷の自然を堪能できる絶景ポイントとして知られています。「奥鐘橋」を渡った先には、歩道の上に大きく岩がせり出している「人喰岩」があります。まるで人を食べるように見えることから、その名がついたと言われています。

黒部峡谷観光のおすすめホテル「黒部・宇奈月温泉 やまのは」

    • 黒部・宇奈月温泉 やまのは
      • 黒部・宇奈月温泉 やまのは

      • https://yamanoha.orixhotelsandresorts.com/

      • 〒938-0282 富山県黒部市宇奈月温泉352番地7

      • 富山地方鉄道線「宇奈月温泉駅」下車徒歩3分
        北陸自動車道黒部IC下車約20分

アクセスマップ

まとめ

黒部峡谷は、例年10月中旬から紅葉の見ごろを迎えます。大自然に囲まれた黒部峡谷ならではの景色を、トロッコ電車で楽しんでみてはいかがでしょうか。また、各駅の周囲には絶景・観光スポットが多いので、ぜひ足を運んでみてください。紅葉シーズン中は非常に人気のため、希望のトロッコ電車に乗れない可能性があります。乗車券は事前予約がおすすめです。
* 掲載情報は2023年6月時点の内容です。最新情報は掲載先にお問合わせください。